「山谷」と言われてもピンと来ない方もいると思うので、まずは少し説明を。
山谷とは、、、
①日本三大ドヤ街のひとつ。※ドヤ街=激安な簡易宿泊所が立ち並ぶ街のこと
②高度経済成長期に日雇い労働者が集まり、景気が傾くとともに仕事を失った方達が今でも残って暮らされている。
③山谷という住所はなく、台東区清川・日本堤・橋場と、荒川区南千住にまたがるところに位置している。
④古い日本らしさの残るノスタルジーな街並みがバックパッカーなどから人気を集めている。
簡単にまとめると、
ホームレス(路上生活者)のおじさんたちが集まる、味わい深い街。です◎
ホームレスと聞いて、こわい、汚い、臭い。
そんな風に思われる方も少なくありません。
だけど、ここにいるとそんなことは気になりません。キレイ、汚いは単なる表面上のことで、彼らと接することで人の奥深い部分、根源を見出すことができるのです。
専門学校を卒業したその年の7月から、山谷へボランティアへ向かう日々が始まりました。
私がお伺いしているのは、「NPO法人山友会」というところです。クリニック、生活相談、炊き出し、宿、おじさんたちを中心とした様々なプロジェクトなどを行っています。
一番最初に山友会を知ったのは、数年前のテレビ番組のドキュメンタリー。本田徹医師を中心に、山谷のことが放映されました。
そのときは「こんな人がいるんだなあ」と感じた程度。
それから鍼灸師になり、先輩に隅田川の鍼灸ボランティアに連れて行ってもらったことで、新しい世界が開けた気がしたのです。
「おじさんたちってこんなにも面白いんだ!」と。
一度だけ、山友会のブログを書かせていただいたことがあります。
私の一番のパワースポット | NPO法人 山友会 公式ブログ
なんてこっぱずかしい文章でしょうか。。
でも、このときの気持ちは今も一切変わっていなくて、むしろより一層濃く深くなっているから不思議です。
支援されているのは、私なんだと。
そのようなことを、普段の鍼灸師の仕事をしていても常に感じています。
先生、と言われてしまうこの仕事。
あまり、好きではなくて。
山谷では、先生なんてほとんど呼ばれないんです。
まるで、娘や孫のように、おじさんたちは私を見てくれている気がして、温かい。
コロナの影響でもう2ヶ月以上ボランティアをお休みしていて、さみしくて何か物足りない。
一日も早く、私のパワースポットへ行けますように。。