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「赤ずきんとオオカミの  トラウマ・ケア」

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア

(白川美也子著)」

ずっと読んで見たかった本です。

トラウマ・ケアという少し重いように感じるテーマなのですが、とても優しい文体とイラストで、あっという間に読めてしまいます。

 

そもそもトラウマって少なからず誰でも持っているものだと思うのです。小さい頃犬に噛まれてから犬がトラウマ、昔父親に怒鳴られたことがきっかけで、男性の怒鳴り声がトラウマ、など。。

それは普通に生活していれば全く気にならず、心の奥深くへ隠れていますが、ある場面(そのときと似た状況、似た声、似た人)に

遭遇するとフラッシュバックを起こすことがあります。

 

重度のトラウマを持っている方に対しては、専門のトラウマ・ケアが必要になることもあります。(犯罪被害、虐待、DV、交通事故などの経験者)

しかし、そこまでではなくとも、案外ひとりで抱え込み悩んでいる方も少なくないのではないかと感じます。

 

そんな方に、この本は救いの手を差し伸べてくれるような気がします。

もちろんそのような方の力になりたい、トラウマについて勉強してみたいという方にもぴったりです。

 

 

オオカミに襲われた赤ずきんは「トラウマを抱えた被害者」、そのオオカミは、「加害者でもあり、被害者」という設定で物語は進んでいきます。自分と真正面から向き合い、

苦しみながらも成長していくオオカミ、被害者という経験を強さに、前進していく赤ずきん、心打たれる物語です。

 

世の中で絶え間なく起きる犯罪への見方も変わる気がします。「加害者」と言われる人たちは、本当にその人自身の問題で事件を起こしてしまったのか?何がその人をそうさせたのか?もちろん犯罪自体は許されるべきものではありませんが、その背景を考えることは大切ですね・・・。

 

また、災害トラウマについても書かれています。被災者に対するケア、支援者が知っておきたいことなど、とても参考になります。

 

 

ぜひ、興味がある方はご一読ください~!